日干己（土）について

◆日干「己」― 大地のように育て、包み込み、形へとまとめる力

算命学で日干「己（つちのと）」を持つ人は、“大地のエネルギー”を象徴します。
雄大な山というより、畑や田園のように、人々に恵みを与える柔らかい土壌。

そこにどんな種が撒かれても、黙々と育てていく包容力と、状況に応じて変化に対応していくしなやかさが魅力です。

己の人は、どこか穏やかで聞き上手。相手の本音を受け止める懐の深さがあり、初対面から安心感を与えるタイプです。
その一方で、必要な時にはしっかりと境界線を引き、穏やかさの裏に“揺らぎにくい芯”を秘めています。

まさに、湿り気のある大地のように柔らかくも安定感を持つ性質といえるでしょう。

また、己の特徴のひとつが「育てる力」。

人・仕事・環境――どんなものでも、手をかければかけただけ成果が育つのが己の魅力です。
継続力も強く、地道な努力を惜しまないため、信頼を積み重ねていくのが得意な人です。

しかし、優しさが過ぎると、相手の問題を自分の中に抱え込んでしまうことも。
大地は何でも受け入れますが、受け入れすぎると泥濘（ぬかるみ）になります。

己の人は「引き受けすぎていないか？」を時々振り返ると、さらに楽に生きられるでしょう。
また、状況を細かく考えすぎて動きが鈍くなることもあるため、時には“決めて進む”勇気もポイントになります。

◆己の人が能力を発揮できる仕事

己は「育てる・整える・管理する」力に優れています。
そのため、以下のような職業がとても向いています。

・教育関係（教師、講師、保育、コーチング）
・介護・看護など福祉関連
・心理カウンセラー、セラピスト
・農業、園芸、フラワー関係
・調整役の多い職業（総務・人事・管理職・秘書）
・不動産、建築、土地に関わる仕事
・料理人、栄養指導など“育てる・整える”分野全般
・コツコツ継続が強みとなる研究職や分析職

共通点は、目に見えないものを育てて形にする仕事や、人を支える立場。
己の持つ“包容力”と“地力”は、多くの人を安心させ、周囲からの信頼も厚くなります。

◆まとめ

日干「己」は、柔らかく肥えた大地のように、
人を育て、支え、整え、形にしていくエネルギーを持った人です。
優しさと粘り強さという大きな魅力を活かしながら、自分自身の心のケアも忘れずに過ごせば、人生は豊かに広がっていきます。